第0話《王の追放》

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月明かりに照らされて現れたのは、ハンターの防具の一つ、ランゴスタという蜂のようなモンスターの素材を使用した『ランゴシリーズ』の防具と大体似ているが微妙に違う。 本来のランゴシリーズであれば、ヘルムにはフェイスガードはないのだが、顔をランゴスタの頭をそのまま型どったようなマスクが装着されている。背中にはランゴスタの透明な羽が畳まれて透明なマントのようだ。 ランゴスタから羽と頭を取り除いたような形の銃『インジェクションガン』をその手に携えていた。 銃口にはまだ煙が上がっていた。 「ランゴバスター!貴様…なんのつもりだ!?」 片膝をつきながらオウビートが怒鳴る。 『ランゴバスター』と呼ばれたランゴ装備の人物はインジェクションガンを僅かに下げ一言、 「知るか。」 それだけ言い、引き金を引いた。 「くっ!」 「ほう!今のを避けるか!不意打ちに弱いくせに!」 間一髪で横に体を倒すようにして避けたオウビートの反応に喜びを見出だすランゴバスター。一発、更に一発と打ち出す弾の間隔が短くなっていく。 「ぐっ!うぁっ!!」 「おらどうした!当たってんよ!?避けないのか!?オウビート!!」 体に残ったダメージが響き、満足に回避行動も取れず雨あられのように跳んでくる銃弾が直撃する。 その後に続く銃弾が続々と着弾していく。 銃弾の雨が止むと、そこには装甲は砕け、身体中に痛々しい程弾痕が刻まれ、自慢の天を突く頭の角さえ半ばほどで折れたオウビートがうつ伏せで倒れていた。
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