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「死んだか?いや、まだちょっと生きてるよな?オウビート。」
オウビートの砕けた装甲の破片を踏みしめオウビートの側に立つランゴバスター。
ランゴバスターの視線はオウビートの微かに動いた右手に向いた。まだ息があるのを確認すると空になった弾倉を排出する。
対象完全に殺すために順序をこなしていく。
「………す…」
「言い残すことがあるならさっさと言えよ。聞いてやらんこともないが。」
オウビートが掠れた声で何事か呟く。ランゴバスターにそんな遺言なんて聞くつもりはなく、インジェクションガンの新しい弾倉を交換し、レバーを引き弾を薬室に送り込む。
手筈は整い、銃口をオウビートの頭に向け、再度問いかける。
「はい、時間切れ。本当に遺言は無いんだな?」
「俺は…」
「ん?速く言え」
「お前達を一人残らず殺してやる…!全員だッ!裏切った貴様らを絶対に許しはしないッ!」
「そして…一番先に裏切った貴様をッ!一番速くッ!一番惨たらしくッ!殺してやるッ!」
銃口を向けられたままオウビートはランゴバスターを憎悪の瞳で睨み付けながら叫ぶ。その気迫…殺気に、ランゴバスターの身体中の毛が総立ち、冷や汗が吹き出す。
(殺される!?い、いや、こいつはもう死に体だ…撃てば死ぬ!撃て、殺せ!)
ランゴバスターが銃口を向けなおす。オウビートは顔を背けることもなくランゴバスターを睨み付けていた。
「…お前はここで死ぬんだよ…!」
「殺して…やるから…な」
引き金を引き、放たれた弾丸はオウビートの頭部の角の残りを砕き、眉間に消えた。
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