第0話《王の追放》

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「…死んだか?死んだな?死んだよな?」 オウビートが倒れる瞬間まで目を離さなず見ていたランゴバスターはオウビートの体を何度か蹴りつける。しかし髪の毛一本分すら動かないオウビートを見て、完全に死亡を確信した。 「全く驚かせやがって!…さっさと死…」 『殺してやるからな…!』 「…ねよ」 悪態をついたところで脳裏に甦ったオウビートの死ぬ間際に放った言葉、オウビートの殺意の籠ったあの目が、体を震わせた。 「へ、へへ…オウビートは死んだ。生き返ることはねえ…殺しにこれないんだぜ…?」 自身を納得させようと呟くが体の震えは止まらなかった。 「帰ろう…報告して、酒のんで寝るに限るな!」 そう言ってランゴバスターは細かく震える自身の体を隠すように音もなく去っていった。 …… 「…ランゴバスターは行ったか…。」 オウビートが力尽き、ランゴバスターが去った数分ほど後、オウビートが倒れている場所の近くの穴が突然盛り上がり、中から何かの声が聞こえた。
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