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あわよくば。
そんな軽い持ちで二人の関係は始まった。
郵便ポストの前、腕を後ろに組む君の姿。
今思えば、少女のように揺れるその動き一つで僕は狂ってしまったんだろう。
「初めまして、いや久しぶりって言うべきなのかな。」
不自然な挨拶。
「なんか緊張するね、迷わなかった?」
自分でも何言ってるんだと思う。
正直、その後店へと向かう道のりの会話はあまり覚えていない。
傘を忘れたと言う彼女を自分の傘へ迎え入れる。中途半端なネオンとどこかノスタルジックなこの街を君と歩く。
肩が触れそうで触れない距離。
僕の神経は君のシャンプーに奪われていた。
目的地は決まっているがたまたまを装う。
女慣れしてるなんて思われたくないからね。
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