第二夜・正義と信念

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所変わって此処は東郷邸、屋敷の中庭で龍馬は目隠しを付け木刀を構え、その周りを五人の若者が取り囲んでいる。 五人はそれぞれ手に剣、槍、釵(さい)、鎖鎌、ヌンチャクを持ちジリジリと間を詰めながら龍馬を取り囲む。 「イヤぁぁ!」 剣を手にした若者が斬りかかると、他の若者も龍馬へ襲いかかる! 目隠しにより視覚を封じられている龍馬ではあるが、五人の攻撃をヒラリと躱し木刀で打ち据え何事も無かったかの様に目隠しを外す。 「龍馬、また腕を上げたな」 縁側に置かれた魔導輪ザビが龍馬に話しかけると、龍馬は手拭いで汗を拭きながら「親父は十人を目隠しをしたまま一分かからず打ちのめしている、しかも相手は全員示現流の使い手の猛者ばかり。俺はまだまだ親父には遠く及ばない」と答えた。 すると、袴姿の初老の男がけたたましく叫びながら現れた。 「若!指令で御座います!」 「十郎、そんなに叫ぶとまた血圧上がるぞ!」 龍馬は十郎から指令書を受け取り魔導火を灯すと、虚空に魔界文字が浮かび上がる 『殺戮を好むホラー・バーサーカ血塗られし武器から現る、至急殲滅せよ』
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