第二夜・正義と信念

11/16
前へ
/24ページ
次へ
「ちょっ…待て…」 と龍馬を追いかけようとしたが、老刑事海野は龍馬の気迫に呑まれ一歩も動けなかった。その額には大粒の汗が流れている。 「う、うーん」 警官が意識を取り戻したが先程の事を全く覚えてない様子だ。 「海さん今の男しょっぴきますか?」 新米刑事の犬山が話し掛けるが海野は「止めておけ、デカ一筋30年の俺が身動き一つ出来なかったんだ。半人前のお前に何が出来る」と額の汗を拭きながら犬山を止めた。 海野は不安を隠せなかった。ここ最近殺人事件が続き、今度は死体の無い殺人現場、同僚刑事西野の不可解な行動…そして紅いコートの男。海野は言い様の無い不安感に押しつぶされそうであった。 海野は煙草に火を付け「一体何がこの街で起きてるんだ」と呟いた
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加