第二夜・正義と信念

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「銃弾など当たらなければ問題無い!」 龍馬は電光丸を引き抜き、連続で放たれる銃弾の弾道を見切りながら懐に飛び込み銃身を切断した。 「へぇ、マシンガンの速射に勝てるなんて驚いたよ」 西野はニヤリと笑いながら龍馬と間合いを取りナイフを懐から出す。 その瞬間ナイフの柄からナイフの刀身が飛び出す!スペナッツナイフだ! 飛び出した刀身が龍馬目掛けて放たれたが、龍馬は指で受け止め「玩具はこれでお終いか?」と呟き西野を睨み付ける。 西野と龍馬の睨み合いを割くように「せんぱぁぁぁい、いないんすか?」の抜けた声が割って入る。 犬山だ、犬山が間抜けな声を発しながらフロアに入って来た。 「先輩探しましたよ、こんな場所で何を…」 犬山が待合室に入るなり現状の惨劇を目の当たりにしてその場に立ち尽くした。 床には大量の血液とチンピラの屍が転がり、警察署に居た紅いコートの男にスペナッツナイフを向けていた西野。 犬山は某然となり、立ち尽くすしか出来なかった。 「来るな!早く逃げろ!」 龍馬が叫ぶが西野は犬山に気を取られ僅かに生じた隙を突き、龍馬に拳銃を発砲する。 「くっ不覚!」 龍馬は咄嗟に銃弾を避けたが、腕を掠めたらしく腕から血が流れている。 「西野先輩これは…」 犬山が西野に尋ねると、満面の笑みを浮かべ犬山に銃を向ける。 「床に転がってるのは街のダニ供だ、銃器密売の現行犯で始末した。あの男は俺の正義を邪魔する悪党だ。そして犬山お前は犯人からの銃弾を受けて殉職し二階級特進だ」 西野は引き金を引くと銃声が響き、その直後犬山が前のめりに倒れ、床に血を流し蹲る。 「な、なんで…西野先輩…なんでこんな事を」 犬山は吐血しながらも西野に問い掛けるが、西野は笑ながら犬山にもう一発銃弾を喰らわせた。
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