第一夜・紅い牙

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舌先を弾き飛ばした龍馬は再び右上段に刀を構え、ミキの方に視線をやりながら「女!早く逃げろ」と言うと、ミキは声にならない声をあげながらアタフタと逃げ去った。 ミキが逃げたのを確認した龍馬はブロッカーを睨み付けながら「確かに身勝手でずる賢い人間もいる…だが!如何なる人間にも生きる権利はある!もうこれ以上貴様等ホラーに誰一人として喰い殺させはしない!」と叫びながら手にした日本刀『魔戒刀電光丸』で虚空を斬り裂いた! 龍馬の身体は眩い光に包まれ、光の中から赤銅色に輝く狼を模した鎧を纏った騎士が現れた。 コレこそが南の管轄の魔戒騎士、電光騎士斬の称号を持った龍馬の姿である。 「我が名は斬、電光騎士斬!闇を断つ牙なり!」 斬となった龍馬は電光丸を握り締め右上段に構えた。 薩摩示現流における『トンボの構え』である。 「小癪な魔戒騎士め…死ねぇぇぇ!」 ブロッカーが鋭利な鉤爪の生えた腕を振り上げ龍馬に飛び掛った刹那! 「チェストォォォォ!」 龍馬は叫び声を上げながら飛び掛るブロッカーに斬りかかった!
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