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四刀たちは新しい自分のクラスを確認するため一度講堂へ向かった。
四刀はとりあえず自分の名前を探した。
「俺のクラスは......1-Aか」
「奇遇だな。私も1-Aだ」
美咲とは小学一年からずっと同じクラスなのだ。
「またいっしょか、相変わらずお前とは何か縁があるように感じるよ」
「えっ縁!そ、そ、そ、そんなわけあ、あるわけなかろう!」
美咲はなぜか顔を真っ赤にして怒っている。
四刀としては「またよろしくな」みたいな意味もこめて言ったのだが、なぜか美咲を怒らせてしまったようだ。
「はぁ~おにいは無意識に女の子を口説いてるんだよねー。今日の夢が現実になる日も近いのかも」
忍は忍でこちらには聞こえない声で何やら言っているし。
女心とは心底わからないものだと四刀は思った。
講堂の前で忍と別れて美咲といっしょに高等部塔の1-Aをめざす。
この私立橘学園は広大な敷地面積を誇る。その中には様々な塔がありおおまかに分けると体育の授業や運動系の部が使う体育塔、音楽科や文化部系の部が使う文化塔、そして中等部塔と高等部塔がある。
講堂は中等部塔と高等部塔の間に立っているので教室まで行くのにそう時間はかからなかった。
教室についてドアを開ける。予想どうりいつもと変わらない日常がそこにはあった。
やはり四刀の求める刺激はこの学園では巡り合えないのだとこのときは思っていた。
むぎゅっ
「おっはよー四刀♪また同じクラスだね♪」
と急に後ろから誰かに抱きつかれた。
いや、本当は誰に抱きつかれているのか知っている。
「やっやめろ沙耶香!」
「ふーん♪やなこった~♪」
こいつは小林 沙耶香。中3の時同じクラスになってから知り合った。
短めの栗色の髪が特徴的な美少女。その髪型が彼女の元気さをさらに引き立てている。
普通にしていればモテるだろうにこの元気すぎる性格が災いしてせっかくの美貌をかすませてしまている。
しかしこいつもこいつでかなり大きい胸だ。背中に押し当てられた胸の質量が半端ない!
見かねた美咲が野球ボールを投げた。
ドスッ!
「ぐぎゃーー!」
「わっ!だいじょぶ四刀?生きてる?」
「ふん!あんたが変なこと考えるからいけないのよ」
「そ、そんな.....無茶な」
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