平凡な日常

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 私は別に一人でいることに悲観してる訳じゃない、一人は気を使わず済むし自由だ。  気を使わず話せる友達とキャピキャピとガールズトークを繰り広げられればいいのだ。  誰が好きで芸能人の誰が好き、なんて絵に描いたような高校生活なんだろう。  今年で2年目だけどその目標は達成できてない。  黄金期間と呼ばれる学生にも社会人にも喜ばれる期間が終わりダレる日常。  中庭のベンチで一人あんぱんと苺牛乳を手に取りながら空を見上げながら考えてみる。 「あんぱんの中身粒なの?」  しかめっつらをして言う。  私にとって青春はあんぱんの中身よりどうでもいいことらしい。  餡は漉し餡の好み。  食べやすくさっさと飲み物で流し込める仕様は素晴らしい、の一言だ。  二年目ということもあり制服に着られる事も無くなり良い感じにくたびれてると思う。  制服がここ一帯で一番可愛いブレザーだから、という理由で受験を決めたのが遠く感じられる。  まさか自分の偏差値を上げる事になるとは思わなかった。  弟には制服で高校を選んじゃいけないと教えないといけない。  
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