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「……え?うん、わかった。じゃああとでね」
香澄がトイレに立ち戻ってくると母が電話をしていた。内容は分からなかったが、なんだか嬉しそうだった。
話しているうちにあっという間に時間が経ってしまった。
父は結局部屋から出てこなかった。
それを気にしながらも香澄は時計を見上げ「そろそろ……」と腰を浮かしたその時、玄関から「お母さんなにー?」という声がしてきた。
母は腰をあげ玄関へ。
「持ってくるから下で待ってて」と母は二階へ。
そして「もう、用意しといてよ……」となにやら文句を言いながらリビングに向かって足音が近づいてくる。
香澄は座り直しリビングのドアを見つめた。
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