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「そうだ。ご褒美考えといて」
そんな妻の言葉に思わず顔をあげた。
「ご褒美?」
「そう。病気に勝った時のご褒美。絶対治すからうんと豪華なご褒美ね」
「わかった。ビックリするくらいなご褒美考えとくよ」
「楽しみ」
妻の満面の笑顔。
信じよう。彼女なら絶対に病気に勝つ。
そう思いようやく笑顔を見せた俺は彼女と共に笑った。
そして気付くと余命宣言された一年を半年以上も過ぎていた。
勝った。彼女は勝った。
そう安心していた時、妻が倒れた。
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