本編

5/6
前へ
/12ページ
次へ
ー数日後ー アリア 「……。……。」 《テリーを探している》 アリア 「―――あっ… ねぇ!ねぇ待って!」 【テリーに駆け寄る】 テリー 「……。」 《不機嫌》 アリア 「はぁはぁっ…ふふふ、こんにちわ」 テリー 「………。何か用?」 アリア 「この前は来てくれてありがとう!遠くからでも、ちゃんと分かったよ。うれしかった」 テリー 「………。」 アリア 「今度、また公演が決まったの。わたしも歌わせてもらえることになって、中盤で出てくる歌姫役を…」 テリー 「最低だった。」 アリア 「―――え…?」 テリー 「あんたの歌。最低だったよ」 アリア 「え…」 テリー 「なんなの、あれ。あんたらしくない…。全然、聞いてて楽しくないし、気持ち悪かった…!」 アリア 「………。」 テリー 「僕、あんな歌を聞きにいったんじゃないんだけど。もっと暖かくて、綺麗で…!だからあんたの歌が好きで!…なのに、あんなの…ッ」 アリア 「…わかってる…わかってるよ…!わたしだって、本当は好きな歌を好きなように歌いたい。だけど、夢なの!わたしの歌を、たくさんの人に聞いてもらうことが、わたしの夢なの!あそこで歌えば、みんながわたしの声を聞いてくれる。歌を聞いてくれる!」 テリー 「…ッ…夢のためなら、あんな酷い歌を歌ってもいいって、本気で思ってるの?」 アリア 「思ってるよ!仕方ないじゃない…!ここでいくら歌ったって、誰も足すら止めてくれない…っ!聞いてくれない!だったら、少しくらい苦しくったってみんなが聞いてくれる場所で、歌を歌っていたいよ!」 テリー 「……ッ…!なんだよ、それ…。誰も…?聞いてくれない…?」 テリー 「バカだ!あんたはバカだ!今のあんたの歌なんて、ホントに誰も聞いちゃくれないよっ!」 【走り去る】 アリア 「……ッ…。だって……わたし…わたし…!」 ー翌日ー 【例の場所に立っているテリー】 テリー 「………。」 テリー(M) 「あーあ…なにやってんだろ、僕…。もうあの人は来ない。大好きな彼女の歌は、もう聞けないって言うのに…」 テリー 「……名前すら……知らなかったのに…」 アリア 「♪」 テリー 「…!?」 テリー(M) 「えッ……え…!?」 【表へ飛び出す】
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加