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「ミコト……?」
物思いに意識を飛ばしていた俺は希花の声に、我に帰った。
「いや、なんでもない……。ところで希花、さっきのは?」
そうだ、こんなことを誰かに言わなくたっていいんだ。
俺は話を変えた。
「ああ、あの光か? あれは神の、魔を討つ技だ。あと、ミコトの怪我を治したのは私の本来の能力だな」
「そうだったのか」
なんだか居づらくなってきた。
長く誰かといるのに慣れていないせいだろう。
「あ、ヤヨ姉が心配するから帰るな?」
「ああ分かった」
「……なあ、俺一人が希花を信じ続けたら、あとどれくらい存在できるんだ?」
「……信じ続ける限りは永遠に」
「そうか。……じゃあな」
「ああ、またなミコト。
あ、そうだ」
「うん?」
「辛ければ、いつでも私の名を呼んでくれ」
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