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一月一日、元旦。
旦の下の棒は地平線であり、日の出を表していているとか、いないとか。
でもテトリスならやっぱり縦に使いたい。
でもそうなると旦から旧になってしまい、新年の癖に古い感じになってしまう。まぁ、テトリスじゃないから関係無いんだけどな。
「で、なんだ……」
防寒対策万全の俺は、これまた防寒対策万全の彼女と参拝者の列に並んでいた。
「ずばり神頼みです!」
「こいつ、ぶっちゃけやがった。にしても初詣でか…いつぶりだろうなぁ」
「はい!わたしは新たな恋を、草氏さんは小説のアイディアを神さんに頼んじゃうわけですよ!」
「てか玲ちゃん、テンションおかしな事になってないか?」
「だって、新年ですよ?!ハッピーニューイヤーですよ??!」
「ハッピーになればいいがな」
「暗っ!なんでそんなに悲観的なんですか?おじちゃんは暗いベイビーですか?!」
「こんなビッグな赤ちゃんいてたまるか!またおじちゃんって言ったな!」
「それはきっと天の声です」
「お天道様が認めても俺は絶対認めんぞ」
「強情」
「生意気」
どうやらこの子と俺は磁石のN極とN極の関係にあるらしい。
「いえ、SとSです」「心を読むんじゃねぇ」
「思いっきり声に出してましたよ!」
「そうだったとしてもNとNに変わり無い」
「どうしてです?」
「ノベリスト(N)と生意気(N)」
「うわっ、ひどいです!やっぱり紳士と言う名の変態さんですね!」
「やっぱりってのはなんだ。俺はチキン奢ったり、小説家としての有り難?い話をしてやったと言うのに!」
「あ、次わたし達の番ですよ?」
聞いちゃいねぇ……しかし、なんで俺は今日こいつに付き合っているんだ?
気休めにしかならないだろうが、これを機会に自分を見つめ直すのもいいかもな。それで新たな発見でも出来れば万々歳だ。
――チャリン……パン、パン
「素敵な恋が出来ますように…」
恋かぁ……
――ん、恋???
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