「れいちゃんどうめいけっせいです」

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鯉――コイ科の淡水魚。登龍門を登りきった鯉は龍になるという、あの鯉だ。 俺は魚があまり好きじゃない。単純な理由、生臭いから。 それに鯉ってのはクセがあるらしい、でも良い鯉は泥臭く無いとも聞く。はたして良い鯉とはなんだろうか? 錦鯉?そんなもん喰える訳ないだろ。そもそも鯉は神の遣いであるから――って、んな事はどうでもいいか。 「失恋も恋には変わりないよな…」 「え…?何か言いました?」 「なぁ…… 一つお願いしたいことがあるんだが…」 「な、なんですか。いきなり」 「いや、出会って間もない他人に聞くのはどうかと思うんだが俺も背に腹は変えられないから」 「ふふん、いいでしょう。天才美少女の玲ちゃんにかかればいかなる相談だってどんと来いです!」 「そう言ってもらえると助かる。これは誰でも良いって訳じゃないからな」 相手が俺みたいな恋愛ビギナーだったら役に立たん。 そんな奴が三人寄ったところで文殊になれる訳が無い。もんじゃの話しか出来ん。 「大袈裟かもしれないが、お前じゃないとダメなんだ!」 「ちょ、ちょっと草氏さん!いきなり何を言ってるんですか?!」 「二人は巡り逢うべくして巡り逢った運命だったんだ!そう……まるで磁石同士がくっつき合うようにっ!」 「た、確かに草氏さんの事は尊敬していますよ?でもそれは早いって言うか、心の準備がまだと言うか――って、NとNじゃなかったんですか?!」 「磁石はNもSも持っているんだぜ」 「何を小学生でもわかることをドヤ顔で言っちゃてくれてるんですか!周りの人の迷惑だから静かにしてください!」 「ええい、そんな事はどうでもいい。玲ちゃん、俺と恋や愛についてお話しよう!ヘイ、カモン!レッツトーキング!」 「いやーーー!これじゃ公開処刑です!いいからここを離れましょう!」
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