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「そんな大層な事じゃないと思うが…」
「こういうのは形から入るのが金則なんです、ゴールドですよ!」
「…金則なのか」
「金則です!」
もしかして禁則の事かな?でもそれじゃ意味が成り立たんよな。それとも鉄則か?鉄よりも高価な金でその重要性を強調してるとか?
どちらにせよ考え過ぎない方が良さそうだ。
しかしまあ、子供に付き合ってやるのも年長者の義務だと自分に言い聞かせ、渋々手を出す。
「握りましたね?後悔してもしりませんよ?」
「小説家に二言は無い」
「いきますよー。ゆーびきりげんまん、うーそついたらはーりせんぼんのーます!ゆーびきった!」
「ほい、切った」
金則な儀式とやらを終わらせて、彼女とは対照的な丸裸の手をポケットに避難させようとする――が抜けない。
「これにて玲ちゃん同盟結成です!ファイトー、オー!」
「……」
「オー!!!」
「おー」
「オーーーッ!!!」
もう後悔した。ちくしょうやけくそだ。
「「おーーーーーっ!!!」」
新年の朝っぱらから、境内のど真ん中で、人目も気にせず、大きく腕を突き上げ、腹の底から叫んでいる二人組の姿がそこにはあった。
玲ちゃんの言葉を借りる訳じゃないが、これじゃまさに後悔処刑です。ってか?
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