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「俺は………」
言う必要あるか?ファンとは言え、赤の他人だもんなぁ……でも年下だけに言わせたままは俺もいい気がしない。
「小説の……続きだよ」
「続き!書いているんですか?!」
すると彼女は今日一番の輝いた瞳で身を乗り出してきた。
「そりゃな。まだ完結してないからね」
「次の舞台は何処ですかっ?テーマはっ?霧谷(主人公)くんはっ?!」
「言わないよ」
「ううー……気になるですよー!」
知らんぷりしてコーヒーを啜る――熱っ!
だけどまぁ、いい機会だ。ちょっと取材してみよう。
「なぁ……」
「なんですか?おじちゃ――あ、すいません。クリスピーをもう二つ下さいです」
「まだ食うのかよ?!」
「わたしは忘れていませんからね」
実はさっき入店した際に「奢りだから好きなだけ注文していいぞ」的な事を言ってしまったのだ。
中三女子の食欲を甘く見すぎていたようだ。まあいいか。
「恋ってなんだ?」
「失恋したばかりの乙女にそれを聞きますか?!やっぱり草――おじちゃんはデリカツー無いです!」
「おしいっ!シだ、シ!それにわざわざおじちゃんと言い換えるな!」
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