終わりの日

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私は、モルモットだった。 あらゆる心理学、人間行動パターンの実験に利用されてきた。 けれど、それもおしまい。 私は用済みということでどこかからの監視の中で、自由に行動することが出来るようになった でも、今さら自由にされたところで空っぽの私には何もやりたいことは見つからず、ただ人が溢れ、高い建物により空が見えない街中をのらりくらりと歩いていた。 きっと世間は自由になったのに何もしない私を見て楽しんでいる。面白がっている。 私がただの観察対象、鑑賞品とでも思っているに違いない。 もう、生きていても仕方がない 私は人混みの中に立ちすくみ、人に溺れた。
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