~prologue~

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「…おいっ」 その声が聞こえたとき、 ルネアの体はビクッと反応する。 それを見た修は 動きを静止した。 「………お前もか」 それはどこか あきらめにも似た呟き。 「ふっ…、 いいよ、早く連れて行ってくれ」 渇いた苦笑。 それはルネアには 修の仮面の向こうの生の感情に見えた。 突如、 それはルネアの胸を締め付けた。 (あれ?なんでこんなに胸が苦しいの? それに、私はこれを知っている?) 修は困っていた。 それは目の前の彼女が 何も反応しないからである。 (自分の世界に入ってやがる) そう判断した俺は どうしたものかと周りを見渡す。 すると、興味深い物を見つけた。 (ん?なんだあれ?) 俺は確かめるべく“ソレ”に近づく。 “ソレ”は全長30㎝程のナイフだった。 普通ならばナイフなんてあっても 気付かなくても不思議ではない。
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