黒紫

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「今日も寒いなー」 「…せやな」 レコメン終わり、普段はマネージャーの車に乗って帰るんやけどなんとなく歩いて帰ろうとした。 するとヨコが「今日ヒナん家行くわ」って言うから一緒に月明かりの夜道を歩いとる。 口から漏れる息は白く、分かりやすく冬を表している。 ヨコは両手をコートのポケットに入れ寒そうにしていて。 肌が白いためか鼻が真っ赤に色付いとる。 冷え性やからしんどいんやろうな… 「冬は大変やな…」 「何の話じゃ、ヒナ」 「ふぇ!?いや、何でもないわ」 心の声が漏れてたんやろな。 少しビビったわ。 わざと口開け溜め息みたく白い息を吐き出しながら空を見上げる。 そして思わず足を止めた。 「なぁヨコ」 「なんじゃい」 「今日は満月なんやな」 俺が言った後に続けて空を見上げる。 「せやなぁ…」 「やから月がいつもより明かるく感じたんやな」 またゆっくりと歩き出した俺、やけど横はまだ立ち止まったまんま。 「ヨコ?はよいかんの?」 「ヒナ、」 「なんやねん」 「…月が綺麗ですね」 俺の目をしっかり見据えてヨコは言った。 「ふは、何で標準語なんよ」 「な、…もうええわ。先行くぞ」 そう言ったかと思うと今度は早足で歩き出した。 全く…何の事なん、ってそうか。 俺はヨコの隣につき、ポケットに入っていたヨコの左手を取り出して、 「ヨコ」 「一体なんやねん」 「私、死んでもいいわ」 右手で握り会わせ俺のポケットの中に一緒に詰め込んだ。 「っ、ヨコの手冷た!!」 「冬やからしゃあないねん」 「じゃあ俺の体温分けたるからなー」 「…せやな、ちゃんと暖めろよ」 ヨコも俺の手を握り返してきて、二人歩く帰り道 ━━━━━━━ ベタとか知らないよ!! 実際二人が言葉の意味を知っているのか怪しいが←
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