黄橙

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今日の依頼は乗っ取られた店の権利書を取り返すって内容。 「暇やなぁ…」 「せやね…暇やから新しい薬でも作ってくるわ」 「おぉ、いってらっしゃい」 今日は交渉メインらしいから行ったのはマックとジャッキーとジョニー。そんで万が一を考えて戦闘要員の中で一番頭が切れるアーセナルも一緒。 残ってたうちトッポは新しい薬の開発にでも始めるみたいやからフロアにいるんは俺とガムだけ。 今日は夜に店もないし完璧暇。 なんもする事無いから酒でも飲もうかと思いカウンターに入る。 「エースもう飲むん?」 「今日なんもする事ないんやもん」 「女の子と遊べばええやん。エースかっこえぇんやし呼べばホイホイ着いてくるんやろ」 「ホイホイ言うなや。人聞き悪いな」 「実際は?」 「むっちゃホイホイくる」 「やっぱりくるんやんか」 ニヤニヤしながら見てくるガム。 あのアホ面めちゃくちゃ腹立つな。 イライラしてきたから取り敢えず酒瓶に目を向ける。 こんなときにはやけ酒と思い酒を漁り始めると良いものを見付ける。 「ガム?」 「何ぃ?」 「ガムって甘党やっけ?」 「俺?そうやけど」 「じゃあ甘いの平気なんやな」 「大好きやけどそれがどうしたん?」 俺はガムが言い終わる前に瓶の蓋を開けガムへ頭から思い切り頭からぶっかけた。 「うわ、エースなにすんねん!!」 全部かけきる前に避けたけどな。 「なんやねん、これ…」 赤いし、むっちゃベトベトすんねんけど、なんて言っとる。 「ガム、これなぁ グレナデンシロップって言うねんで」 そう言って俺はガムの頬についたシロップを舐めた。 「ひ、エースやめぇ」 口では嫌がりつつも思いっきりは抵抗してこないガムは優しいんやろなって思う。 俺は余り抵抗しないガムの首筋のシロップを舐めながら前話した会話をぼんやりと思い出していた .
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