34 新たなカウントダウン【前編】

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『来週末、うちに来ない?』 昨日、送ってもらった車の中で宮田さんが私の耳元で囁いた。 朝起きてすぐにフラッシュバックのように蘇るそのシーン。 あんな掠れた色っぽい声で囁かれた上に、あんな切ない顔で見つめられたら…… 『行き…ます』 断れる訳がない。 しばらくベッドの上で、手の甲を唇に当てたまま顔を火照らせる。 でも、昨日の宮田さんは、なんだかちょっと元気がなかった。 映画を観ながらも、どこか上の空だったような……。 仕事で何かあったのかなぁ? 私といてもつまんないのかなぁ? とか、色々不安に思っちゃって……。 だから、昨日は私も結構大胆なこと言っちゃった。
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