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本当に勘違いしていたのは俺だった。
会って話をすれば、好きだとか愛してると言えば、何とかなると思っていた。
自分の能天気さに笑える。
それよりも、紗季の部屋であの男と鉢合わせた時に既に答えは決まっていた。
あの時、紗季は俺よりもあの男を選んでいた。
4年も付き合った俺よりも、出会ってまだ間もないあの男のことを……。
その後のことは、あまり覚えてない。
合鍵も言われるがままに返した。
そして、紗季は席を立った……。
気が付くと、紗季の吸ったメンソール煙草の吸殻が一本、俺の煙草の吸殻に交じり虚しく灰皿に残っていた。
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