3 決定的瞬間

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本当に勘違いしていたのは俺だった。 会って話をすれば、好きだとか愛してると言えば、何とかなると思っていた。 自分の能天気さに笑える。 それよりも、紗季の部屋であの男と鉢合わせた時に既に答えは決まっていた。 あの時、紗季は俺よりもあの男を選んでいた。 4年も付き合った俺よりも、出会ってまだ間もないあの男のことを……。 その後のことは、あまり覚えてない。 合鍵も言われるがままに返した。 そして、紗季は席を立った……。 気が付くと、紗季の吸ったメンソール煙草の吸殻が一本、俺の煙草の吸殻に交じり虚しく灰皿に残っていた。
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