95人が本棚に入れています
本棚に追加
夕食が、出来上がり広間に運ぶ。
「…結構重いな…」
お膳を重ねて運ぶ。ゆっくり運んでいると、後ろから声がした。
「重そうだね、手伝ってやるよ」
「あ!ありがとうございます」
そっと振り返ると、そこにいたのは藤堂さん。ひょいっと、横からお膳をとった。
「希さん、ほそっこいのに頑張るなぁ」
「そんなことないです」
「忙しいときは言ってね。手伝うからさ」
廊下を並んで移動、歩きながら藤堂さんが聞いてきた。
「なあ希さん、希さんには兄貴はいないの?」
え?どこかで聞いたような質問…
「いません…」
「…そっか、ならいいや」
そんな会話をしていると、にやにや笑い顔の沖田さんに遭遇。
「何してんですか?平助。優しいですね~どういう風の吹き回しですか?」
「大変そうだったから手伝ってるだけだ!」
「本当にそれだけ?真っ赤ですよ~。希さん、平助に気を付けて♪」
「総司ー!!」
あははっと笑いながら、広間へ入って行った。
「希さんっ!総司が言ったことは気にしなくていいから!全く…」
「えっと…はい」
ため息をつきながら藤堂さんが言った。
お膳を並べ終えて、いつものようにお櫃の前にスタンバイ。近藤さんが最後に入ってきて…
「いただきます!」
掛け声で食事開始。始まって早々、
「オーガーワディーッ!」
口にいっぱい食べ物を詰めた原田さんがお茶碗を掲げる。
「…はい」
子どもだよ…子ども。
「汚いっ!口の中のもん飲み込んでからにしろっ」
相変わらず、厳しい永倉さん。ごもっともな意見でございます。
最初のコメントを投稿しよう!