第1章 その1

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その人は、笑顔で言った。 そうだよね…スーツケース持ってるし…大丈夫! 「一緒で…」 そういうと、その人はさらに笑顔になって、 「うんっ!一緒に行こう」 そう言った。 ********** 「えっと、お名前聞いていいです…か?」 目的地へと2人で歩いている。 二人とも手にはスーツケース…観光者ってバレバレ。 でもいいや、2人だし。 名前くらい聞かないと。 「ああ、そうだね。私、椿。早川椿(ハヤカワ ツバキ)っていうの。あなたは?」 「私は、のぞみ。広瀬希(ヒロセ ノゾミ)って言います」 「希ね。Okey!そう呼んでもいい?」 「あ、はい! 私は…何て呼びましょう…か」 「椿でいいよ、椿」 「ええっ、っや、私より年上みたいだし…」 「あーぁ、そうだけど、別によくない?」 「えっ、えーと…」 「んーん、じゃあ椿姉ってのは。後輩たちにそう呼ばれてる」 「…それじゃぁ…、椿姉…?」 「疑問形?あはは!はいはい。かわいいわぁ」
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