その4

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泊まり込んで、1週間、今日は大きな会合があるそうで。いつも以上に大忙し! 「椿さん、今日まで頑張ってください。明日から2~3日休んでもろていいですから」 住職の言葉で…頑張って働いております。八木家から出ずっぱり、しかも明け方から遅くまで働きづめ…。 『本職よりも…過酷だ…』 壊されたりとられたりする可能性があるものは、すべて蔵に直しこみ、部屋を殺風景な状態へ変化させる。 「とにかく、200くらいの人が来るらしいんよ、大したもんはださんでいいって言われとるし、ぱぱっと作ってしまいましょ」 富さんと大量にご飯を炊き、おにぎりを作っていく。…腱鞘炎になるかってくらい握った。 「ふぅーっ」 ひと段落して、お茶などを飲んでいると本堂から争う声が聞こえてくる。 「もう始まってるんですね」 「そうみたい。なんや、喧嘩でもあっとるんかいね?」 *********** 話し合いも終わったようで、ぞろぞろと男たちが帰っていく。この中に、新撰組の面々もいるのよね…。 様子をうかがっていると、 「椿はん、これを広間に持って行って」 富さんから呼ばれた。 「はーい」 お茶だった。 「失礼します」 「お、椿か。入れ」 清川さんが入室を促す。 「お茶をお持ちしました」 清川さん以外にも数名いた。それぞれにお茶を配っていると、 「全く…何を考えているかわからん」 清川さんふぅーっと息をはいていた。 「それでは…失礼します」 「うん、今晩はここにおる者たちの夕餉はいらん」 「あー、伝えておきますね」 もうすぐ、私は帰るし。 「お前が作るんじゃないのか?」 「今日から数日、家に帰るんです」 「…そうか。世話になったな」 「…?はぁ。それではまた」 そう言って、頭を下げ部屋を出た。 これが、清川八郎と交わした最後の会話となった。
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