その4

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久々、八木家に帰った。 「ただいまぁー」 玄関でそう告げると、バタバタと誰かが走ってきた。 「あれーっ、お帰り」 雅さんだ。 「やっと帰って来れました。これ住職からお団子です。本当こき使われましたよ…。でもガッツリ稼いできました」 そう言って、OKサインを作る。 「お疲れさん、こっちもバタバタや。みてみ」 そう言って部屋の中へ入ると…部屋のあちこちに着物やら、荷物があふれている。 「10人…こんな普通の家に10人増えると…もう大変」 はぁーっとため息をつきながら奥へと歩いていく。 「茶でも飲みながら休んでおき」 「椿姉!!!」 台所に行くと希がいて、ぎゅーっと抱きついてきた。 「会いたかった!!」 「もー、希ったら。私もあいたかったわぁ。ただいま」 「うん」 うるうるし出す。 「すぐ泣く―。ほらほら、お茶にしよ。お団子もあるよ」 「うん!」 お茶を入れて縁側へ移動する。 「ふー、久々の八木家は最高。寺と大違い」 「そうなの?泊まりっぱなしだったけど、そんなに忙しかったの?」 「…忙しいも何も。私が勤めてる寺の名前知ってる?」 「…知らない」 「新徳寺」 「…!…うそ!」 「私、新撰組の細かいことあんまり知らないじゃない?だから、仕事に行ってびっくりよ」
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