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久々、八木家に帰った。
「ただいまぁー」
玄関でそう告げると、バタバタと誰かが走ってきた。
「あれーっ、お帰り」
雅さんだ。
「やっと帰って来れました。これ住職からお団子です。本当こき使われましたよ…。でもガッツリ稼いできました」
そう言って、OKサインを作る。
「お疲れさん、こっちもバタバタや。みてみ」
そう言って部屋の中へ入ると…部屋のあちこちに着物やら、荷物があふれている。
「10人…こんな普通の家に10人増えると…もう大変」
はぁーっとため息をつきながら奥へと歩いていく。
「茶でも飲みながら休んでおき」
「椿姉!!!」
台所に行くと希がいて、ぎゅーっと抱きついてきた。
「会いたかった!!」
「もー、希ったら。私もあいたかったわぁ。ただいま」
「うん」
うるうるし出す。
「すぐ泣く―。ほらほら、お茶にしよ。お団子もあるよ」
「うん!」
お茶を入れて縁側へ移動する。
「ふー、久々の八木家は最高。寺と大違い」
「そうなの?泊まりっぱなしだったけど、そんなに忙しかったの?」
「…忙しいも何も。私が勤めてる寺の名前知ってる?」
「…知らない」
「新徳寺」
「…!…うそ!」
「私、新撰組の細かいことあんまり知らないじゃない?だから、仕事に行ってびっくりよ」
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