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土方さんの言葉を遮り…希が口を開く。言葉を遮られて、土方さんが固まる。なんか希…こわい。
「ねぇ、死にかけたって何?」
2度聞きだよ…。
「えーっと…、あのね…」
「希さん、この前言ってた京の女はじゃじゃ馬ってやつですよ」
沖田さんが割って入る。じゃじゃ馬…うれしそうに話す…沖田さん。
「何…それ。あれ、椿姉だったの?」
「えーっと、そうみたい」
ははっと笑ってみる。
「笑い事じゃないっ!」
希はバンッっと両手で太ももを叩き、立ち上がる。
うわぁ、えっと何?何?
「後先考えてないのって、椿姉じゃない!!そんなんじゃ、私だって椿姉守れないっ!」
「!」
希はそう叫んだ。
「一緒にいるって言ったじゃない!約束守って!!」
ぼろぼろと涙をこぼしながら…。
そうだよね…私になんかあったら、希は一人ぼっち…。
「ごめん、ごめんね希」
頭を撫でながら誤った。
何もわかんないこの時代で、1人になるのは…つらいよね。
この前あんなこと言い放ったくせに、後先考えてないのは私だ…。
「私だって、椿姉を守りたい!」
ぼろぼろ涙を流しながらそれでも強い眼をして、希が言った。
誰も言葉を発すことなく、時が過ぎる。
しばらくして…
「そういうことだ、家族泣かしたら元も子もねぇんだ。肝に銘じろ」
言ってきた土方さんに、
「何、おいしいとこだけ持っていこうとしてんですか…お二人の一括になすすべなかったくせに…はははははっ」
「う…うっせー、総司!」
なんか、二人の言葉に…私たちは笑ってしまった。
「笑い事じゃねぇー!!」
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