第2章 その1

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次の日。 芹沢さんは、椿姉が買ってきたちょっとお高い紙で嘆願書を書いたようで…。 近藤さんと2人で出かけている。 昨日、芹沢さんから任務を受けた土方さんは、早速八木家のご近所、前川家に話をつけそこも屯所にしてしまう。 前川家の敷地は広く、人数が増えても何の問題もないが…。 後日前川家の人々は、別の家へ出て行った。 以前と変わったこと… 椿姉は、寺の仕事を週に3回にしてもらい、それ以外は八木家でお手伝い。 私は、前川家に通い女中として雇われている。 1人ですべてはこなせない。そのため、食事と洗濯はするが… 「起床後、しっかり自室の掃除を行うこと!」 浪士組の決まりとして、各自で掃除を行い、共同スペースは持ち回りで行うという決まりを近藤さんが作った。 「今日の夕餉は何にしようか?」 洗濯物を畳み終えたところに、井上源三郎さん、略して源さん登場。史実通り、料理が上手でいつも一緒に作る。 毎回、何にしようか思案しているように言ってくるが、だいたいメニューは決まっているみたいで、源さんの指示で行動する。 お米を研いでいると、 「なぁ、希さん。聞きたいことがるんだが…」 源さんが、声をかけてきた。 「何ですか??」 「希さんは、椿さんの妹なんだろう?」 「…はい、そうですが」 「生き別れた、兄はいないのか??」 生き別れた兄…?この時代にっということだろうか…。現実世界にもいないけど。 「いいえ、椿姉と2人姉妹です」 「そ、そうか。…ああ、何でもないよ」 「?」 何なんだろう…。
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