第2章 その1

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お代わりの声に対応しながら、ひと段落したころ 「そういや希さん、あんた兄貴はいないか?」 土方さんに聞かれた。…またその質問? 「いいえ、おりません…。あの…」 なんで同じこと聞いてくるんだろう…、聞いてみよう。 「今日、同じようなこと聞かれたんですが…何かあるんですか?」 「いやー、他人のそら似ってやつか。同じような顔のやつがいるもんで」 「…そうですか」 私に?疑問に思ったけどそれ以上は、聞かなかった。 ********** 3月12日 京に残った浪士組は、会津藩お預かりが正式に決まった。そして一同は、宴会を開催していた。 「…うるさい、眠れない」 「でも、すごくうれしんだよ」 「そうだけどさ、近所迷惑だって」 私たちは、引き続き八木家の2階に住んでいる。 「明日以降数日のことはお任せします」 八木家の人たちは、この騒ぎに耐えかねて親せき宅に一時避難中、雅さんに任務を言い渡される。 「こりゃー今夜は眠れないな。明日休みだし、あの人たちもご飯いらないだろうしいいや」 そう言って、 「私たちも、混ぜてもらおっ!」 椿姉いそいそとお着替え。ええっ!? 「希も早く!!」 …椿姉、まったく。
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