第2章 その1

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「…」 「…」 「…」 「?」 椿姉の背後から、部屋に入ってきた男の人が立っている。芹沢さん・近藤さん・私は唖然。 「何?3人とも固まって。おーい、おーい」 そう言って、椿姉が私たちの顔の前で手を振る。 「…椿姉、う、後ろ…」 「後ろ?」 椿姉が振り返る。 「「えっ!」」 そうだろう、そんな反応になるよね…。 そこには、椿姉にそっくりな男の人が立っていた。男の人も椿姉をみてびっくりしている。 「…あ、ああ。すまんすまん、並ぶと瓜二つでびっくりして」 近藤さんが口を開く。 「斉藤、ここに」 斉藤…?…斉藤一!!! 「京に来てから、ここを訪ねてきてな。正式に壬生浪士組に入ったんだよ。2人ともよろしく頼む」 「…斉藤一だ、世話になる」 「…あ、はい、希です…」 いろんな意味で驚いてるから、それだけ言うので精いっぱい。椿姉は… 「…」 言葉にならず。芹沢さんが聞く。 「斉藤、この物言わん方が椿だ、ぶ…ははははっ!」 いまだ固まる椿姉を見ながら、吹き出した。 「こやつらは姉妹なのだが…、おぬしは知らぬか?」 「はい…」 「希はともかく、椿と斉藤は瓜二つだ」
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