第2章 その1

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ー 沖田 総司 ― 京に来てそう経たないけど、こっちの生活にも慣れた。 試衛館のみんな入るし、まだ仕事はなく贅沢はできないけど、食べるものや住むところも心配ない。 何もすることないから稽古も思いっきりできる、たまに甘味にだってありつける。 江戸にいるときと何ら変わりない生活を送っている。 ただ…最近なんか変だ。 「希さん、買い物ついてくよ」 「ありがとうございます」 あの2人のせいだ。 年が近いからという理由で仲がいい。私だって変わらないのに、何となくうまくいかない。 「また2人でいる!本当に隅におけないですねぇ~平助は!」 すぐに茶化してしまう。 「そ、そんなんじゃない!ただ、荷物が重いだろうと思って」 希さんが、赤くなって伏せてしまう…その反応も何だか癪に障る。 「邪魔者は退散します。お気をつけて」 「お、おいっ待て総司!ほんとにそんなんじゃないからなー」 「お気になさらず」 気にしてないそぶりを見せその場を離れる。部屋に戻って、後悔する。
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