第2章 その1

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血のにじむような努力をした…でも、その努力を誰にも見せることはできなかった。 こわかったんだ。 努力しないとできない人間だと思われることが… 努力は報われた。 誰もが認めてくれる腕前になった。ただ…     ・・・・・ 「総司は天才だから」 そう言われるようになった。でもそれは、偽りの天才…今でも時間の許す限り稽古はやってる。 「寺で子どもたちと遊んできます」 嘘で固めた天才をやり通すため…。 こんな私が、自分の本心を話すことなんてできるわけもなく…冗談や笑いを取って自分まで偽り過ごす。
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