第1章 その1

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「あはははっ。ごめんなさい。びっくりしたよね。お困りのようだったので…声、かけてしましました。」 その人はそう言った。 「えっと、あの…はい…道がわかんなくて…えーっと…」 「わかるわかる。案内もないしね。私も不安だった。あなたを見るまで」 「…あ。はいっ!」 「でも迷子みたいにきょろきょろしてるあなたを見て、なんかホッとした。ありがとう」 「…ははは、いいえ…」 …恥ずかしい。 「ところで、あなたも壬生寺に?」 そうだっ!質問されてたんだ!! 「いえっ!!八木邸に行こうと思って!」 「ああ!そうか、近くだったんだ」
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