おいコラ、何また筆箱漁ってんだよ…吊るすぞ

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「これ、返却したいんですけど。」 「はい、そこに置いておいて下さい。」 普通はその場で本を返してくるけど、うちはめんどくさいからしない。 するわけない。 図書委員は座っているだけだと思っていたけど、意外に苦労するものだった。 「はぁ…。」 溜め息くらいでるよ普通。だってさ、本当はこの仕事って二人でするものなの。なのに私今一人。最悪。 「また眉間に皺寄ってるよ。」 くすりと笑うコイツはしょーちゃん。うちの幼なじみ兼親戚。因みに男の娘(こ)である。 「うるせーよ。」 ついしょーちゃんの可愛さに嫉妬して口が悪くなる。 はぁ…今日もしょーちゃんは可愛いんですけど。 「椿ちゃんはその仕草が一番可愛いしクールなんだよ!」 喧嘩口調のこの子はアカネ。地毛とは思えない赤色の髪の毛。
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