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気づけばサラはアーツの目の前に来ていた。机に手をついて身をのりだし、アーツの顔をまじまじと見つめている。アーツは不愉快そうに鼻を鳴らした。
「なんだ、ホモかてめぇは。」
「お客様だ。」
アーツとマルクスの会話なんて耳に入らない。気づけば視界がぼやけていた。
「お、おい。どうした?」
アーツの声色がガラッと変わる。席を立ってサラに近づき、サラが泣いているのに動揺している。
もはやなんで泣いているのかわからない。アーツは、昔オレが倒した相手かなんて思いながら、サラのことを見ていた。
「アレクって言うんだが、知らねぇか?」
「いや、知らねぇ。おい、昔オレが何かしたなら謝るよ。だから泣かないでくれ。」
アーツの困ったような声に首を左右に振るしかないサラ。
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