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あとはマステアの店がいると嬉しいのだが……サラの願いは叶い、木のカウンターが見える。
「おばちゃん?」
「誰か来ましたか?」
腰がすごく曲がっているおばちゃんは、カウンターの裏にいると見えない。おばちゃんはカウンターから出てサラを見た。
そして小さく首をかしげる。
「どこかでお会いしましたか?」
「私です、サラです。」
サラがキャップをとると、赤く長い髪が流れるように落ちる。サラを見たおばちゃんが慌てたように手を振った。
「やつらに見られないうちに隠しなさいな! 早く!」
「はい。」
覚えていてくれた……サラは笑顔のまま髪を束ねて帽子を被った。またきれいな顔つきの男の子の格好になる。
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