期待の養護教諭

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あたしの現実的な指摘に、小春がぶーっと唇を尖らせる。 「もうっ、柑菜ってば夢のないこと言わないでよー!」 「だってさぁ、今までだってそうだったじゃん」 事あるごとに、黒縁イケメン教師だの爽やかサッカー少年な転校生だの、 どこから流れ出たのかすらよくわからない情報を信じて、期待に胸を踊らせていた時代もあった。 …だけど、実際にやって来たのは。 黒縁メガネまでは合ってるけど、到底イケメンとは呼べない三十路だったりサッカー少年だけど爽やかどころか見てるだけで暑苦しい転校生だったり。 ことごとく、期待を打ち砕かれてきたんだ。 噂なんて、結局はそんなもん。 どこで尾ひれがつくかわからない。  
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