期待の養護教諭

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勿論、本当に噂通りのイケメン先生が来たら万々歳なんだけど……。 …って、いやいや。 どうせ今回もまたガッカリするのは目に見えているんだから。 無駄な期待をするのは辞めとこう。 「おっす」 クラスに便乗して、保健室の話題に花を咲かすあたしたちの間に割って入った声に、いったん会話を止めて視線を向ける。 「あ、おはよ。虎太郎」 「おー。なんか朝から盛り上がってんな?」 あたしの隣の席に、浅く腰を降ろした虎太郎が教室全体を見渡しながら口にした。 「なんか、イケメン養護教諭が来るらしいよ」 淡々と答えるあたしに、虎太郎は興味なさげに「ふぅん」と呟いて。 「どうせまた、ハズレだろ」 と、バッサリと切り捨てた。    
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