35人が本棚に入れています
本棚に追加
勿論、本当に噂通りのイケメン先生が来たら万々歳なんだけど……。
…って、いやいや。
どうせ今回もまたガッカリするのは目に見えているんだから。
無駄な期待をするのは辞めとこう。
「おっす」
クラスに便乗して、保健室の話題に花を咲かすあたしたちの間に割って入った声に、いったん会話を止めて視線を向ける。
「あ、おはよ。虎太郎」
「おー。なんか朝から盛り上がってんな?」
あたしの隣の席に、浅く腰を降ろした虎太郎が教室全体を見渡しながら口にした。
「なんか、イケメン養護教諭が来るらしいよ」
淡々と答えるあたしに、虎太郎は興味なさげに「ふぅん」と呟いて。
「どうせまた、ハズレだろ」
と、バッサリと切り捨てた。
最初のコメントを投稿しよう!