寂しくて、恋しくて

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所は変わってS大学。学科が一つしかないこのこじんまりとしたキャンパスの中、これまたこじんまりとした学食内で僕は昼食をとっていた。 で、何故家で妹と電話していた僕が現在学生食堂にいるのか?答えは実に単純です。僕はここで友達を作ろうとしているのだ。 やはり作るのなら学生同士、同じ大学同士の友達のほうがいいと僕は考えた。そして、残念なこと…というより自分の不徳の致すところなんだけれど。自分には連絡先を知っている学生はいない。だけれど幸運なことに、僕は構内に知り合いの学生が一人だけいる。なんといっても知り合いのほうが友達にはなりやすいだろう。 名前は進藤泉。女の子だ。彼女が順当に単位を取得しているなら、この春で僕と同じ三回生になるはずだ。ともかく、僕はその進藤さんと顔見知りなのだ。どうやって知り合いになったのかは…よく覚えていない。 まぁ、ともかく彼女と僕はよくばったり出会う。構内やよく行くスーパーマーケット、コンビニやラーメン屋、喫茶店、本屋、図書館、CD屋などなどと、僕は自分が行動する範囲内でよく彼女と出会い。そしてよく彼女からあいさつをされる。だから嫌われてはいないんじゃないかなーと、思う。そんなこんなの理由で、僕は彼女を大学生活の友達第一号にしようと思った。 で、そんな彼女はこの春休み。よく学食で昼ご飯を食べている姿を見かける。僕もキャンパス内の図書館に勉強しに来た時は学食で昼ご飯を食べに行くので、休み中だというのによく進藤さんと遭遇しているのだ。 そして。 「進藤さん。隣いいかな?」 「え?」 本日も僕は進藤さんと遭遇することができた。さぁ、がんばって友達になってもらおう。
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