3説 ~基礎~

2/4
前へ
/17ページ
次へ
今俺は、自分の教室で授業を受けている。 ごく普通の学園生活を満喫する…つもりだった。 だけど、あの入学式の一件以来、妙な噂で学園中は持ちきりだった。 そう、死んだはずの俺が生き返った事に、周りは俺に妙な視線を送ってくる。 《アイツだろ?一度死んだって奴》 《不気味…ちょっと怖いかも》 噂は、授業中でも絶えず続いてる。 それでも俺は、強いて気にする事はなかった。 何故なら、俺自身もどうして生き返ったのかすら解っていないからだ。 (俺が知りてーよ…) そんな風に考えるのは、もう何度目だろう? 学園長は『俺の中で何かが起きた』と言っていたけど、一体何が起きたと言うのだ? それでも、変わらず俺に接してくれる奴がいた。 「楓、お前どんな魔術系にするんだ?」 瑞樹だ。 俺なんかの為に、涙を流してくれたのは瑞樹が初めてだった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加