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今俺は、自分の教室で授業を受けている。
ごく普通の学園生活を満喫する…つもりだった。
だけど、あの入学式の一件以来、妙な噂で学園中は持ちきりだった。
そう、死んだはずの俺が生き返った事に、周りは俺に妙な視線を送ってくる。
《アイツだろ?一度死んだって奴》
《不気味…ちょっと怖いかも》
噂は、授業中でも絶えず続いてる。
それでも俺は、強いて気にする事はなかった。
何故なら、俺自身もどうして生き返ったのかすら解っていないからだ。
(俺が知りてーよ…)
そんな風に考えるのは、もう何度目だろう?
学園長は『俺の中で何かが起きた』と言っていたけど、一体何が起きたと言うのだ?
それでも、変わらず俺に接してくれる奴がいた。
「楓、お前どんな魔術系にするんだ?」
瑞樹だ。
俺なんかの為に、涙を流してくれたのは瑞樹が初めてだった。
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