4説 ~訓練~

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そんな学園長が、俺の担当と言うのは無理があると、心から思わざるを得なかった。 「えっと…学園長、いくら何でもそれは…」 と、俺は心配になったので声を掛けた。 流石に、年寄り相手に本気なんか出せない。 だが学園長は、そんな俺の思惑を無視するかのように、突然魔術を放った。 《ドォーン!!》 俺の座ってる位置から、真後ろにあった跳び箱が一瞬にして粉々に。 年寄り扱いした事は、一生黙って居ようと思った最初の出来事だった。 「で、何をすれば良いんだ?」 「頭の転換が早い若者で助かるわい」 そう思うのも無理はない。 今の俺に、この老いぼれに勝てる気が全くしないからだ。 どうせなら、この老いぼれに対して一発だけでも、自分の魔術が当たるまでは…と。 (気が遠くなる話しだな…) 「何をぼーっと座っておる?とっとと始めるぞぃ」 「あ、ああ」 -1時間後- 「ゼェゼェ…ハァハァ…」 俺は心底、この爺が人間では無いと思ってしまう。 理由は簡単…どんな相手でも、必ず隙と言うものが存在する。 だがこの爺は、隙があろと無かろうと俺の魔術を跳ね返すからだ。 「ほれ、どうした?早くせんと、日が暮れてしまうぞぃ」 (こんのクソ爺…) とは言っても、攻撃魔術が当たらなければ意味が無い。 何処かに必ず弱点はあるはずと、俺は再度攻撃魔術の詠唱を行った。 【我願う 我想う 我望む 闇に沈みし亡者の叫び 混沌たる光よ】 「ニーブレスト!!」 俺は学園長に向けて、弱点を見つける為に魔術を放った。 しかし、さっきと同様に全部跳ね返されしまい、逆に俺の体力が限界に来ていた。 「くそ…」 (大した小僧じゃ。下級魔術とは言え、これほどの威力を放つとは…それ以上に驚くべきなのは、かれこれ1時間以上も攻撃魔術を使用して居る事じゃ) そんな学園長の思惑を知らない俺は、1つの活路を見出だした。 だがそれは、1つの賭けにしか過ぎない。 成功するかは、俺自身判らないのだ。 「へへっ…弱点見ーっけ!」 (…!?) 学園長の顔色が変わった。 成功するかは判らないけど、一か八かやるしかなく、俺は最後の力を振り絞った。 【我願う 我想う 我望む 闇に沈みし亡者の叫び 混沌たる光よ】 「くらえ、クソ爺!」 最後の瞬間、何かが突然切れたかのように、俺は意識を失った―。
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