0人が本棚に入れています
本棚に追加
学園長が演説を開始してから、かれこれ20分が経過している。
まぁどの学園でも、学園の長なんてみんなこんなもんだよな。
-1時間後-
(長ぇ…)
流石に長すぎる演説に、苛立ちを覚え始めた俺は、どうにかして抜け出せないかと辺りを見回した。
しかし、生徒が邪魔で抜け出そうにも、下手なやり方をすればバレてしまう。
(仕方ない、諦めるか…)
と、そう思った瞬間―。
《ガシャーン!》
何かが割れる音が聞こえ、誰もが何事かと騒ぎ始める。
俺はこの機会を逃さず、そのあいだに抜け出そうと動いた。
(ったく…勝手にやってくれ)
こんな面倒な事は、関わりたくない性分と言うのもあり、俺は一目散にその場から脱出しようしていた。
だが、どんな状況でも邪魔は必ず何処かで入るもの。
そう、今目の前で起きる現実と同じように…。
この時の俺は、頭の中で何の他愛の無い妄想を描いていた。
まったりとした学園生活。
ダチとの登下校。
学園での恋愛生活。
つまらないと誰もが言うかも知れない。
でも、そんなつまらない日常が、俺にとっては生き甲斐なんだよ。
だけどそれは、夢であって現実じゃない。
最初のコメントを投稿しよう!