2説 ~転生~

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学園長が演説を開始してから、かれこれ20分が経過している。 まぁどの学園でも、学園の長なんてみんなこんなもんだよな。 -1時間後- (長ぇ…) 流石に長すぎる演説に、苛立ちを覚え始めた俺は、どうにかして抜け出せないかと辺りを見回した。 しかし、生徒が邪魔で抜け出そうにも、下手なやり方をすればバレてしまう。 (仕方ない、諦めるか…) と、そう思った瞬間―。 《ガシャーン!》 何かが割れる音が聞こえ、誰もが何事かと騒ぎ始める。 俺はこの機会を逃さず、そのあいだに抜け出そうと動いた。 (ったく…勝手にやってくれ) こんな面倒な事は、関わりたくない性分と言うのもあり、俺は一目散にその場から脱出しようしていた。 だが、どんな状況でも邪魔は必ず何処かで入るもの。 そう、今目の前で起きる現実と同じように…。 この時の俺は、頭の中で何の他愛の無い妄想を描いていた。 まったりとした学園生活。 ダチとの登下校。 学園での恋愛生活。 つまらないと誰もが言うかも知れない。 でも、そんなつまらない日常が、俺にとっては生き甲斐なんだよ。 だけどそれは、夢であって現実じゃない。
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