「ちっ…ガス欠かよ」

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地平線へと名残惜しそうに沈み行く夕陽。 テンガロンを被ったまま朽ち果てた骸を横目に、男はそう呟いた。 周囲を見渡してみるが、乾燥した草やひび割れた大地の他は見る影もない。 唯一、サボテンの花だけが生命の息吹を感じさせる。 男は愛車のマグナに据え付けられていた専用のトランクケースを取り外し、骸の横に腰を下ろした。 (やれやれ…) ろくでもないところに来てしまった。とでも言いたげに、男は骸の額を軽く小突いてみる。 しかし何か反応が返って来るはずもなく、見知らぬ獣の遠吠えが絶えず響き渡っているだけであった。
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