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「――――・・・これって・・・」
封筒にコピーされた字で書かれた「軍最高機密」の文字。
その文字に動悸が激しくなる。
2人は封筒の中身が予想できているのだろうか、いつもとは様子が違う。
キアラの封筒を持つ手がわずかだが震えている。アーサーもいつもの元気が無い。
キアラが震える右手を左手で押さえてルーグを見た。
「・・・・・これ、もしかしたら・・・私達の」
「黙れ」
核心の言葉はルーグの一言でさえぎられた。
「・・・でも・・・!!」
キアラは反抗しようとしたのだろう。が、ルーグのサングラスの奥の眼光がそれを許さない。
今ここによっぽど戦いなれた百戦錬磨の勇者がいたとしても、とたんに腰を抜かしてしまうだろう。
沈黙。
その静寂をやぶったのは、キアラの震えた声だった。
「―――――わかりました」
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