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五分後、ドアを開けてキアラが出てきた。
「悪い、待たせたな。で、あの人は?」
「研究所にいるって」
あの人、というのは俺達のチームのリーダーで、すごく頭がいい。
科学班の班長も兼任しているから、忙しくてこっちのほうに顔出しできないときもある。
召集があったということは、まぁ暇ができたんだろう。今さっき電話がかかってきたからな。
集合は地下にある研究所だ。
地下に続く階段を下りていくと、白い扉があった。そこをノックしようと俺が手を伸ばした瞬間、ドアが勢いよく開いた。
「いってえぇええぇえぇ!!!」
額を思いっきりぶつけた・・・。
「ん、あれ?どしたん坊??」
「どしたじゃねぇですよ!!」
「ルーグさんが召集したんじゃないですか。」
ルーグと呼ばれたその男は白衣を身に纏っていて、くしゃくしゃの襟足長めの髪をうしろで束ねていた。
サングラスをかけていて、背も高いので少し柄が悪く見えるが、口にくわえている飴棒のせいであまりそうは思えない。
「ん、そーやったけ?」
「そーっすよ!!忘れないでくださいよ!!」
涙目になって訴えるアーサー。
「・・・・あ、そやったそやった」
少しなまりのある口調で思い出したようにいうと、白衣の内ポケットに手を入れる。
取り出したのは封筒だった。
封筒には―――――こう書いてあった。
―――――――「軍最高機密事項」―――――
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