部活動選び

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「早速その籠持ちます。」 先生の持つ籠へと手を伸ばすと、さっと籠を持ち上げられてしまう。 「これはダメだ、重いから俺が持つ。それにまだ少し顔色悪いんだから無理はすんな。」 「だがこれはマネージャーの仕事だろう?早く貸せ。」 「へぇ、"先生"にそんな口の聞き方いいのか?」 笑顔だが有無を言わせぬオーラに、言葉が続かない。ただ先生を睨むしかできなかった。 「じゃあこのバインダー持ってくれ。」 そう言って渡されたのは軽いバインダー。 そしてほら行くぞと我の背をポンと叩く。 こういう優しさ、ずるい... 顔が綻ぶのを感じながら、ゆっくりと先生の後をついていった。 ――――― ―――――――― 「ええーー!!!野球部のマネージャー!?辞めときなよ、サッカーにしときなって!」 野球部のマネージャーになったことを猿飛に言うと、想像以上の反応が返ってくる。 そして肩を捕まれ首が外れるんじゃないかと思うほど揺すられた。 「毛利ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 突然の絶叫と共に来たのは石田だった。 その勢いのまま猿飛の腕から我を引っ張り出した。 「...ゲホゲホ..どうした、そんなに急いで。」 「フンッ 部活動を悩んでいると聞いてな。貴様がそれほど入りたいと言うなら...生徒会に推薦してやってもいい。」 「「は?」」 思わず猿飛と声が重なる。 いつ生徒会に入りたいと言ったのだろうか? 記憶を思い起こすも、思い当たるものはなかった。 「もしや同じ部活動に入りたいとか?」 「ちちちちちちちち違う!!!どうして毛利と同じ部活動など―」 「残念、不本意だけど就チャンは野球部のマネージャーになったところですー。ざーんねん♪」 「...なん..だ...と。野球部の...マネージャーに...」 石田のテンションはまるでジェットコースターだ。突然急降下し、石田に負のオーラがまとわりつく。 「はっはっはっ!そう落ち込むなよ。三成?」 「..家康ぅぅぅぅぅぅぅぅううう!!!気安く私に触るなぁあ」 明るい笑顔と共に現れた家康。 石田の攻撃を笑顔でかわし、我の方へ向き直す。
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