戦国時代

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言えた… たった一言なのに、我が心は今とても軽い。 …好きだと言えれば尚良いのかもしれぬが、まぁ良かろう。伝えたとて、奴を困らせるだけになろうからな。 我はゆっくりと瞼を閉じる。 もし来世があるなら、奴の隣にいていい人間になりたい。 そのような人間になれるならば、我は何もいらない。例えこの愛しい気持ちを無くしてもいいから、隣にいたい…… 今まで散々沢山の者達の命を奪ってきた我が、最後は誰かの隣にいることを望むとはな。 ふと頭の奥が痺れ、だんだんと意識が遠退いていくのを感じた─ そろそろ我もこの世を去る時が来たのか。ならば最後に祈ろう。 奴が、長曾我部が… 大切な者達と幸せに笑っていれますように… 奴が海へ出るときは、穏やかな海でありますように…… そして、いつまでも笑っていますように……… 最後まで奴のことばかりだと思いながら、我の意識はそっと闇に消えていった。
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