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「はっ!!どう見ても毛利じゃねぇか。それに今の動き、あの頃と全く変わってねぇ!!」 「……我はこれでも空手を習っておった。貴様の知る毛利も何かしておったのかもしれぬな。だが、我は貴様とは初対面ぞ。」 「嘘、だろ……」 鬼は我の言葉を信じられないようで、固まってしまう。 ……ん? 「貴様、怪我をしておるではないか。」 左肘には擦り傷があり、流血している。 我のせいではない、と思うが100%言い切れない。 「……これは野球の部活での傷だ。白熱した試合だったからな、勲章だ。」 「野球部…だからバットを持っていたのだな。ほら、これで止血しろ。」 ポケットからハンカチを取り出し、鬼へと差し出す。すると受けとる所か、再び固まってしまった。 「おい、貴様聞いておるのか!?」 「毛利サン、怒らないであげて。西海の鬼は…うーん、何て言うか…」 「早く申せ。いったい何なのだ。」 「……別に、何でもねーよ!!」 鬼はパッと起き上がると、ぷいっと顔を背ける。 「…汚していいのか、ハンカチ。」 鬼は頭を掻きながらもそう尋ねてきた。 そんなことを気にしておったのか… 見かけによらず女々しい奴だ。 ──しかし嫌いじゃない。 「気にせずとも良い。制服が汚れる方がまずいであろう。ほら、使え。」 ハンカチを手渡すと、鬼は躊躇いがちに傷を押さえる。しかし制服と言ったが、我や猿飛が着ている服装とは違う。 ──リーンゴーン… 「あ、予鈴。猿飛、毛利を連れて教室に戻れ。」 鬼は立ち上がると、我等の背を押した。
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